90年代2000年代に活躍した、ドラマや映画の脚本家の方々を厳選して紹介します。
宮藤官九郎
ドラマ
『池袋ウエストゲートパーク』
『木更津キャッツアイ』
『タイガー&ドラゴン』
『あまちゃん』
映画
『GO』
『ピンポン』
言わずと知れた日本を代表する脚本家。
感動系の作品だとしても、途中でギャグを入れたり、ユニークな展開になったりして、笑える脚本が多い。
どんな設定であったとしても、すごくリアリティを感じる作風で、
一見、時系列順に物語を構成しているように見えて、妙なところで過去に時間が戻るなど、時間の使い方がものすごく上手なことで定評がある。
三谷幸喜
ドラマ
『古畑任三郎』
『王様のレストラン』
『HR(エイチアール)』
『新選組!』
映画
『みんなのいえ』
『THE 有頂天ホテル』
『ザ・マジックアワー』
言わずと知れた、古畑任三郎の脚本家。
刑事コロンボにインスパイアされ、最初に犯人の様子を描き、それを切るものの警部補がどんどん切り込んで事件を解決していくさまが痛快だった。
他の作品は、閉じられた世界の中で描かれるシチュエーションコメディが多く、複数の人たちが複雑に絡み合い、それによって生まれる人間模様を上手に落とし込んでいくスタイルも多い。
北川悦吏子
ドラマ
『愛していると言ってくれ』
『ロングバケーション』
『ビューティフルライフ』
『空から降る一億の星』
『オレンジデイズ』
『Love Story』
『たったひとつの恋』
言わずと知れた、名作恋愛ドラマをたくさん作り出している脚本家さん。
ロングバケーション、ビューティフルライフ、空から降る一億の星など、木村拓哉さんの脚本も多く手がけた。
実は90年代後半に腎臓病を抱え、数々のヒットドラマは病気と闘いながらの制作だった。
その後、左耳の聴力を失うなどの後遺症が残ったが、半分青いというドラマは、左耳の聴覚を失った少女が主人公で、自分自身の体験をもとに脚本を作ることを精力的に行っている。
野島伸司
ドラマ
『ひとつ屋根の下』
『未成年』
『聖者の行進』
『リップスティック』
『ストロベリー・オンザ・ショートケーキ』
『高校教師』
『プライド』
ひとつ屋根の下など若かりし頃の 嬉しさや苦しさなどを生々しく描く作風。
また、 SMAP のライオンハートの作詞も担当している。
ある時から野島伸司さんは、ドラマの主題歌にもこだわるようになり、高校教師の主題歌に森田童子さんの、ぼくたちの失敗を使ってほしいと自ら志願した。
他にも、人間失格ではサイモン&ガーファンクルの曲を挿入歌に使い、未成年ではカーペンターズの曲を使用した。
脚本だけではなく、音楽にもこだわりをもつ。
岡田惠和
ドラマ
『アンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜』
『アルジャーノンに花束を』
『南くんの恋人』
『若者のすべて』
『イグアナの娘』
『ビーチボーイズ』
『君の手がささやいている』
『天気予報の恋人』
映画
『いま、会いにゆきます』
滝沢秀明さん主演のアンティークや、ユースケサンタマリアさん主演のアルジャーノンに花束をなどなど、数々のヒット作品を生んだ脚本家。
脚本は俳優さんが決まってから書くことが多く、脚本ありきで俳優さんを決めるわけではないとのこと。
また、 NHK の朝ドラでは、最初に場所を決めてそこから脚本を作り出した。
君塚良一
ドラマ
『踊る大捜査線』
『さよなら、小津先生』
『ラブコンプレックス』
『華麗なるスパイ』
『ナニワ金融道』
映画
『踊る大捜査線 THE MOVIE』
『容疑者 室井慎次』
言わずと知れた、踊る大捜査線を手がけた脚本家。
警視庁の管理官として、柳葉敏郎さん演じる室井慎次が登場し、一方で現場の刑事は、織田裕二さん演じる青島が登場する。
二人はキャリアを築いたものとキャリアを築いていないものという対立構造であり、その二人が違う立場にいながら、理解を深め事件を解決していくところにカタルシスがある。
吉田紀子
ドラマ
『Dr.コトー診療所』
『悪魔のKISS』
『お見合い結婚』
『恋を何年休んでますか』
映画
「涙そうそう」
「ハナミズキ」
ドクターコトー診療所や、お見合い結婚などの、苦しい場面がありつつも優しい愛情のこもった脚本を手掛ける作家さん。
高校2年生の時に、脚本家の倉本聰さんに大きな影響を受け、その道に進みたいと決意。
一度は OL になるが、ほどなくして富良野に移り住み、2年間ログハウスでの生活を経験する。
そこで倉本聰さんに講義を受けたことで、脚本家としての実力が開花した。
井上由美子
ドラマ
『GOOD LUCK!!』
『白い巨塔』
『14才の母』
『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』
木村拓哉さん主演のグッドラックや、志田未来さん主演の14歳の母、上戸彩さん主演の昼顔など、幅広いジャンルを描く作家さん。
井上先生は、時代にあったテーマをドラマの中に組み込む方法をとっている。
14歳の母は、若くして母親になるとはどういうことかが、その時代の一つのテーマであったため書くことに。
女性の不倫問題が取り沙汰されるタイミングで、昼顔も誕生した。
金子ありさ
ドラマ
『ナースのお仕事』シリーズ
『中学聖日記』
『恋はつづくよどこまでも』
映画
『電車男』
『陰日向に咲く』
『ヘルタースケルター』
90年代を代表する作品、ナースのお仕事シリーズなどを手がけた作家さん。
ドタバタなコメディの要素がある作品も多く、電車男の好きな女性の前であたふたしてしまう様子や、陰日向に咲くの、妙な物語展開などを手がけるのが上手だと思った。
またとても優しくて面倒見がよい性格で、まだデビューしていない自分の弟子に対して、どうするかよくなるかをとことんマンツーマンで指導する顔も併せ持つ。
森下佳子
ドラマ
『世界の中心で、愛をさけぶ』
『白夜行』
『JIN-仁-』
映画
『プラトニック・セックス』
『包帯クラブ』
言わずと知れた、世界の中心で愛をさけぶのドラマや白夜行 などを手がけた作家さん。
特に白夜行は生み出すのが難しかったとのこと。
生きていくために、人を殺めていくモンスターが主人公。
しかし、その異常さを12話も見せ続けるのは脚本的におかしいため、精神的には普通の人間にも理解できるように描きながら、随所にモンスターな部分を出して行ったそう。
その甲斐あってか、手応えのある作品を作れたとのこと。
福田靖
ドラマ
『HERO』
『海猿 UMIZARU EVOLUTION』
『ガリレオ』
『特命係長 只野仁』
『CHANGE』
『龍馬伝』
映画
『容疑者Xの献身』
木村拓哉さん主演の HERO を書いた作家さん。
当時は全然無名だったそうで、周りに全然期待されていなかったため、のびのび書くことができた。一方で、13年越しに第2シーズンのヒーローを書く際には、期待に応えなきゃという大きなプレッシャーがあったとのこと。
他にも、海猿やガリレオなど、ちょっとクセのある正義の味方が多いイメージ。
坂元 裕二
ドラマ
『東京ラブストーリー』
『二十歳の約束』
『ラストクリスマス』
『西遊記』
映画
『世界の中心で、愛をさけぶ』
織田裕二さんの東京ラブストーリーや、映画の世界の中心で愛を叫ぶ、などを手がけた一流の作家さん。
脚本の作り方は、登場人物ありきで書き始めるとのこと。
書いていくうちに、自分自身がキャラクターたちと一緒に生きている感覚になり、細かく設定が決まっているわけではなく、生きている彼らがどんな行動をとるかに翻弄されながら、一つずつ対処していくという書き方をしている。
坂本さんは、自分のことを脚本家よりも俳優に近い感覚と言っている。
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